遺言の種類について - 港区芝浦(田町駅)の遺言・相続登記・債務整理・離婚・成年後見
遺言の種類
(1) 自筆証書遺言
遺言者が自分で文章、日付、氏名を書いて押印することで成立する遺言。
- 遺言者は、全文を自筆で記載しなければならない(パソコン不可)。
- 日付は、吉日は不可。満80歳の誕生日は有効です。
- 氏名は、通称・雅号・ペンネーム等でも有効です。
- 押印は、実印、認印、指印も有効です。
- 加入、削除等の変更は、
1.訂正箇所に印を押し、
2.欄外に「この行○字加入」または「○字削除」等書いた上で
3.その部分に署名する。 - 用紙に制限はなく、数枚にわたる割印が無くても有効です。
○メリット
- 内緒で作成できる。
- 公証人、証人の必要がない。
- 費用がかからない。
×デメリット
- すべて自書によって作成しなければならない。
- 内容に不備があった場合法的に無効になる可能性がある。
- 遺言がみつからない、破棄される恐れもある。
- 家庭裁判所の検認を受けなければならない。
(2) 公正証書遺言
原則として遺言者本人の口授(口伝えで意思を伝達すること)に基づいて公証人が作成する遺言。
*聴覚・言語機能障害者においては、口授ではなく通訳人の通訳等により作成可能
- 証人2人以上の立会いがあること。
*証人は、未成年者、成年被後見人、遺言者の親族(4親等内)、推定相続人や受遺 者(配偶者、直系血族を含む)、公証人の関係者(書記等)はなることができない。
- 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
- 公証人は、内容を遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧(見る)させること。
- 遺言者及び証人が署名、押印すること。
○メリット
- 公証人が作成するので無効になる危険がない。
- 遺言書の原本が公証役場に保管されるので変造、紛失の恐れがない。
- 自書できない人でも作成することができる。
- 検認の必要がないこと。
×デメリット
- 公証役場にいかなければならない(病気等の場合は来てくれることもある)。
- 証人を探さないといけない。
- 費用がかかる。
- 遺言内容が証人等に知られてしまう。
(3) 秘密証書遺言
遺言者が遺言書に署名、押印し、これを封筒に入れ封印のうえ、封紙に公証人の公証を受ける遺言である。遺言の存在は明確にしておきたいが内容は秘密にしておきたい場合。
- 遺言者が遺言書を作成し、遺言書に署名、押印すること。(パソコン可)
- 遺言者が遺言書を封じ、証書に押印した印で封印すること。
- 遺言者が公証人1人及び証人2人以上の面前に封書を提出して、それが自分の遺言である旨及びそれを書いた者の氏名と住所を申述すること。
- 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名、押印する。
○メリット
- 遺言書の存在を明らかにしながら、内容を秘密にできる。
- 自書できない人も作成することができる。
×デメリット
- 遺言書の内容に公証人は関わってないので無効になる恐れがある。
- 遺言書を公証役場に預ける訳ではないのでみつからない場合がある。
- 検認を受けなければならない。
(4) 一般危急時遺言
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫ったものがすることができる遺言。
- 証人3人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授し、その口授を受けたものがこれを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名、押印すること。
- 遺言の日から20日以内に、証人の1人又は利害関係人から、家庭裁判所に請求してその確認を得なければならない。
(5) 遭難船舶危急時遺言
船舶が遭難した場合に、その船舶中に死亡の危急に迫った者がすることができる遺言。
- 一般危急時遺言の要件のうち証人2人以上でよく、口授の筆記もその場でする必要もなく船舶遭難の状態が止んでからでもよい。
- 20日以内という期限はなく、「遅滞なく」確認を受けなければならない。
(6) 伝染病隔離者遺言
伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所にいる者が、警察官1人と証人1人以上の立会いをもってする遺言。
(7) 在船者遺言
船舶中の者が船長又は事務員1人及び証人2人以上の立会をもってする遺言。
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